“アクスムの塔”返還

1937年にムッソリーニにより略奪されローマの広場に置かれていた、エチオピアの貴重な遺跡、24メートルのアクスムの塔(オベリスク)は、本年4月19日から25日にかけて、60年以上の歳月の後、故郷に帰ってきます。
イタリアは1935年から1941年までエチオピアを占領し、ムッソリーニ率いるファシストの軍隊が、エチオピアの代表的な芸術作品や宗教的遺品、また歴史的価値の高い品々を略奪しました。

イタリアの植民地公使だったアレサンドロ・レソナから、エチオピアのイタリア総督マーシャル・グラジアニに、1936年10月24日に送られた電報には、「独裁者ムッソリーニが、一本のオベリスクを、翌年1937年5月9日の就任式までに、ローマに運ぶように命令している。」と説明しています。この日はエチオピアにファシスト王国が樹立された最初の記念日でした。この電報により、イタリア人はエチオピア北方に位置するアクスムから、オベリスクを解体し略奪したのです。

オベリスクの返還に同意した1947年の平和条約以来、エチオピア政府および国民は、この遺跡の返還に向けて今日まで闘ってきました。

1997年、イタリア政府はオベリスクの解体、そして返還に同意し署名しました。そして2003年10月、空輸するため3部分に解体されました。

オベリスクの最初の空輸便は、2005年4月19日ついにエチオピアに変換されました。残りの2つの部分も25日までには到着する予定です。このオベリスク返還は、エチオピア国民の、ひいてはアフリカ全体の勝利の歴史として評価されるでしょう。

第一便はアディス・アババ空港で受理されたのち、故郷アクスムまで、町々をパレードしながら帰ります。ギルマ大統領、メレス首相、政府高官や各国外交官、またアフリカ連合、アフリカの為の国連経済委員会等の各氏が、特別式典への参加を期待されています。

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